ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# きみとぼくの壊れた世界
重度のシスコンである僕は妹の夜月の疑いを晴らすために
クラスメイトの琴原と絶交することにした。
しかしいったい誰が僕と琴原が親しくしている様子を夜月に話したのか。
その答えは保健室登校の病院坂が知っていた。
彼女によれば夜月に言い寄る数沢というクラスメイトが
僕について吹き込んだらしい。
数沢のクラスに殴りこんだ僕を見かねて
彼と同じ剣道部の先輩であり僕の少ない友人でもある箱彦が
僕と数沢の間、さらに僕と琴原の間も取り持ってくれることになった。
しかしその日の帰り道に僕は突然琴原から告白され、
翌日なんと数沢の死体が見つかった。
ブックデザイン:Hiroto Kumagai カバーデザイン:Veia
イラスト:TAGRO

初西尾維新だったのですが、
うーん、メフィスト賞らしいというかなんというか。
端的に言えばシスコン中二病のハーレム推理小説です。
自分と世界との間につながりを感じられないという
彼らの感覚は伝わってくるけれど何も解決せず
主人公が3股を掛けて終わるという謎の展開・・・いまひとつだった。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:08 | category: ナ行(その他) |
# 吉祥寺の朝日奈くん
高校時代の交換日記が交番に届けられ家族の連絡ノートとなり
フリーマーケットで売買され再び男の手に戻ってくる
「交換日記はじめました!」
高校の地味な男子と連絡を取ろうと同級生に声をかけ
やっと見つけた彼の研究室で机ラクガキ事件の真相を聞く
「ラクガキをめぐる冒険」
クールな友達が捨て猫を巡ってクラスメイトに一目ぼれし
それを応援しつつも自分も彼女を好きになってしまう
「三角形はこわさないでおく」
頻繁に鳴るおなかの音を気にする女子高生が
その音を録音させてくれと男子に頼まれ困惑する
「うるさいおなか」
喫茶店の美人店員と図らずも不倫関係になってしまい
彼女の娘とともに休日を過ごすことになる
「吉祥寺の朝日奈くん」
装画・装丁:池田進吾(67)

前作に続いて恋愛の過程を瑞々しく描いた短編集。
「三角形はこわさないでおく」なんてこのまま少女漫画になりそう。
恋愛だけに焦点を置いているのではなくて
恋人同士の交換日記が人々の手を転々としたり
偶然ではなく仕組まれた恋愛関係だったりと巧みな伏線が楽しめます。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:33 | category: ナ行(その他) |
# さよならドビュッシー
祖父と従姉妹が火事で死に唯一生き残ったあたしも
全身皮膚移植を受けてまともに動けない体となった。
しかしあたしはピアノの特待生としてこの学校に入学したのだ。
そしておじいちゃんの遺した莫大な遺産も
ピアノのためにしか使えないように遺言で決められている。
その日からリハビリ生活が始まった。
幸運にも新進気鋭のピアニストである岬さんが
レッスンを担当してくれることとなり順調に回復していく。
しかしあたしの身の回りでは怪談の滑り止めが剥がされたり
松葉杖の金具が外れたりさらには道路で突き飛ばされたりと
命を狙われるようなことが次々と起こり
お母さんも石段から突き落とされて死んでしまった。
遺産を狙った身内の犯行が疑われる中
学校推薦で出場することとなったコンクールに向けて
一心不乱に練習に打ち込む。
装画:北沢平祐orPCP 装丁:高柳雅人

第8回このミス大賞。
『チーム・バチスタの栄光』といい『禁断のパンダ』といい
専門的な話+ミステリーという作品が受賞しやすいのかしら。
最終候補にもう1作中山さんの作品が残ったそうです。すごい。
選ばれたのは全身火傷を負いながらもピアニストを目指す女子高生の話です。
探偵役には司法試験トップ合格の超絶ピアニスト。
音楽描写もばっちりでのだめみたいな感じ。

それだけでも十分な気もするのですが
主人公が相続した遺産を狙ってか命を狙われる
ミステリー部分もあります。が、ここはいまひとつかな・・・
最後の告白だけの方がインパクトが強かったと思います。
あの状況で殺人犯について岬さんに聞くかなぁ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 19:43 | category: ナ行(その他) |
# 神様のカルテ
私こと栗原一止は医師不足である地方病院の内科医である。
"引きの栗原"と呼ばれるほど私が救急外来に出ると患者が多く
今日も愛する妻に会えないまま腐れ縁の次郎や看護士の東西と
患者相手におおわらわである。
たまに家に戻っても隣人の男爵や学士殿と酒を酌み交わし
休む間もなく病院に呼び出される。
こんな私にも医局からお呼びがかかった。
このまま患者の対応に追われて慌しい日々を送るか
いけ好かない医局で高度な医療について勉強するべきか。
装画:カスヤナガト 装丁:山田満明

医局を疎み地方病院で奔走する医師が
自分の目指す医療について考えていく。
病人にとって一番辛いのは孤独であるという言葉が重かった。
たくさんの患者を診なければならない状況で
どれだけ患者を延長ではなく思惟として見ることができるのか。

森見さんを思わせる語り口で(漱石の影響だと書いてあるけれど)
「御嶽荘」なんてとても面白そうな舞台があるのに
ほとんど触れられていないのが残念です。
他の住人についてももっと読みたかった。
| comments(0) | trackbacks(0) | 22:26 | category: ナ行(その他) |
# アミダサマ
評価:
沼田 まほかる
新潮社

耳鳴りに呼ばれた悠人は冷蔵庫の中で眠るミハルを見つけた。
同じく彼女を発見した近所の住職である浄鑑は
2人を近づけると不吉なことが起こると察して
ミハルを自分が引き取ると申し出た。
浄鑑とその母の世話ですくすくと育つミハルだったが
やはり不思議な能力を持っているらしく
彼女が可愛がっている猫のクマは
とうてい生きているはずもないような姿でも呼吸し続ける。
見かねた浄鑑がクマの息を止めたが
今度は母親の様子がおかしくなり、村も異常な雰囲気となる。
一方ミハルに再び呼ばれることを渇望し続ける悠人は
電車で因縁のある祖父のコエを聞いてしまい
祖父のアパートの隣に住む律子の部屋に転がり込む。
装画:藤田新策 装丁:新潮社装丁室

気味の悪い物語です。
いったいミハルの力は何だったのか。
明かされないまま多くの人が死んでいきます。
わからないものへの恐怖を表現しているのかもしれないけれど
もう少し説明が欲しかった。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:10 | category: ナ行(その他) |
# 百瀬、こっちを向いて。

幼なじみの宮崎先輩に頼まれて人間レベル2の僕は
先輩の二股相手である百瀬とつきあうフリをすることとなり
次第に本当に彼女のことを好きになってしまう
「百瀬、こっちを向いて。」
家庭教師をしていた小太郎が溺れているのを助けようとした
わたしが目覚めたのは5年後だった。
ずっと一緒にいてくれる小太郎をわたしはどう思っているのか。
「なみうちぎわ」
叔父が紹介してくれたテープおこしのバイトをしていると
テープからは国語の本田先生の声がした。
「キャベツ畑に彼の声」
自分の容姿のせいで人を信じられなくなりブスメイクで高校に通うが
クラスメイトの山本寛太にすっぴんで会ってしまい
とっさに妹だと言ってしまった。
「小梅が通る」
デザイン:帆足英里子 プロデューサー:栗本知樹

不器用で甘酸っぱい恋愛小説集。
表題作だけ読んだことあるなぁと思っていたら
他のアンソロジーに入っていたのね。
恋愛感情をどう扱っていいのか悩む主人公たちに共感がもてます。
「キャベツ畑に彼の声」が一番好き。

「ずっとあの場所にいたかった。いまでもモンシロチョウをおいかけていられたらいいのに。いつのまにか体がおおきくなってしまい、よくおちこむようになってしまった。」

| comments(0) | trackbacks(0) | 15:24 | category: ナ行(その他) |
# 悲歌 エレジー
評価:
中山 可穂
角川書店(角川グループパブリッシング)

ゲームセンターで見た少女2人が隅田川で心中を図った。
その日から再び私はカメラを持つようになった。
夜の川を撮っていると川へ飛び込む少女を止めている男と出会った。
彼はあの心中で亡くなった少女の父親で
生前彼女ときちんと接しなかったことを悔いているという。
彼と出会ってから私の写真には彼の孤独と虚無が写りこむようになった。
再び彼に会おうと川を放浪するが彼はここにはいないとホームレスに告げられる。
「隅田川」
マイナー作家だった我王健児の評伝を書くために
私は彼が最期の時を過ごした出版社の保養施設に住み込んだ。
稲妻に打たれて感電死した彼の幽霊が出るという噂だったが
ベランダにからみつく蔦以外には怪しいものはない。
聞き込みを続けていくと、彼は生前保養施設の所有者である会長と
家族ぐるみでの付き合いをしていたと聞く。
そして彼には恋人がいたらしいという話も。
「定家」
美しいカウンターテナーを持つ蝉丸と攻撃的なギターを響かせる逆髪。
恩師である由井捨麿の遺児である彼らと博雅は理想的なトリオだった。
別々の場所へ預けられた2人を見舞い続け、
今は小さなプロダクションではあるが全国ツアーの最中だ。
しかしツアー中に自分が結婚することを告げたときから
3人のバランスは狂い始めた。
「蝉丸」
カバー写真:SABURO HORIBE/SEBUN PHOTO/amanaimages
ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

やっぱり中山さんの話はどれも濃いです。報われない恋に苦しむ人々。
登場人物に芸術家が多いのも感情的な恋をするせいなのか。
「サイゴン・タンゴ・カフェ」に比べれば情念のようなどろどろさが控えめです。
「蝉丸」で結婚を給水所に喩えるところがあって
恋愛と結婚は全く別に捕えているのだなあ。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:10 | category: ナ行(その他) |
# サイゴン・タンゴ・カフェ

配属先のアルゼンチンで上司と踊るためにタンゴを習ったのに
横領の罪を着せられてしまう「現実との三分間」
バンドネオン奏者と結婚することになった娘から
父を憎むわけを聞き自分の過去も思い出す「フーガと神秘」
拾ってくれたおじいさんが死んでしまい
無口な殺し屋に飼われるようになった「ドブレAの悲しみ」
夫が浮気相手に渡した手切れ金を使って
浮気相手と一緒にベトナムへ旅立つ「バンドネオンを弾く女」
旅先のベトナムで失踪した女性作家が運営するカフェに
偶然迷い込み彼女と編集者との物語を聞く「サイゴン・タンゴ・カフェ」
装画:Adriana Czernin ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

タンゴにふさわしい情熱的な恋愛の短編集。
どの話も異国情緒と悲しみとタンゴが濃密に絡まって出来ている。
とても濃いので読むのに体力が必要かもしれない。
特に表題作である「サイゴン・タンゴ・カフェ」は
自分を切り売りするような作家の宿命に対する苦悩が強い。

個人的には「ドブレAの悲しみ」が好き。
登場人物すべてがやさしくて。

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:39 | category: ナ行(その他) |
# きのうの神さま

中学受験塾の帰りのバスで運転手から話しかけられる
「1983年のほたる」
島の医師が留守にする3日間代診に訪れる
「ありの行列」
外面のいい名小児心臓外科医の夫を支える
「ノミの愛情」
医者の父が倒れ、しばらく会っていない兄を呼び戻す
「ディア・ドクター」
ベテランの新米医師に港町の医院の引継ぎをする
「満月の代弁者」
装丁:福地掌 西村美博 写真:小林亜佑

過疎地と医者の短編集です。
「ありの行列」は読んだことある気がする。astaかなぁ。
「ノミの愛情」の奥さんの複雑な心境がよかったです。
夫が正しすぎて裏の顔を受け止めてあげなければと思うけれど
自分が割りを食っているのが嫌。

「ディア・ドクター」は映画とはまた違う話のようで。
映画も見たいなー

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:24 | category: ナ行(その他) |
# ねたあとに
評価:
長嶋 有
朝日新聞出版

今年もコモローの山小屋にやって来た。
重い回線をフル稼働してわたしはウェブデザインを、
コモローは小説を書く。
そして夜には誰からともなくゲームを始めるのだ。
麻雀牌を使った「競馬」、サイコロで見た目から人格まで決める「顔」、
謎の質問に答える「それはなんでしょう」、
複雑な勝敗表が必要な「軍人将棋」、
眠いから許せる「ダジャレしりとり」などなど
コモローの父ヤツオおじさんと弟のヒキオくんが昔作った遊びたち。
カバー・扉絵:高野文子 装丁:名久井直子

いい大人たちがシンプルで変な遊びに興じる話。
特に山場もなくたんたんとそれだけの話なんですが
遊びへの興味もあって飽きませんでした。
すごく仲間に入りたくなります。修学旅行のわくわく感も少し。
「それはなんでしょう」とか面白そう。

| comments(0) | trackbacks(0) | 00:13 | category: ナ行(その他) |
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