ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# 弱法師
評価:
中山 可穂
文藝春秋

現時点では不治の病に犯されて鷹之のもとへやってきたのは
8歳の繊細な少年朔也と美しい母親である映子だった。
朔也も映子も愛してしまった鷹之は離婚して病院をやめ、
小さな診療所を開いてつきっきりで朔也を診ることにした。
しかしアルコールに頼るようになっていた映子は事故で死に
専属の栄養士として珠代さんを雇うが朔也はどうも気に入らないらしく・・・
「弱法師」
新人賞をとった後なかなか次回作が書けない高丘は
墓場で元敏腕編集者だったという女ホームレスと出会う。
彼女が担当していたのは永遠の青春小説の書き手と呼ばれる深町遼。
他の出版社と契約していたはずの遼は彼女に陶酔し
彼女のためだけに100本の小説を書き、それが終わったら
自分のものになってほしいと乞う。
婚約解消した彼女の自殺、遊びだったホステスとの無理心中などを乗り越え
ついに約束まであと1本を残すところとなった。
「卒塔婆小町」
外国を飛び回ってめったに帰ってこない薫子おばさんが帰ってきた。
病弱な母と和菓子屋を継いだ父も好きだけれども
わたしには薫子ちゃんにしか言えないことがたくさんあった。
しかし17歳という年のせいもあり素直に薫子ちゃんと接することができないうちに
弱っていた母がついに死んでしまった。
病院に着いたわたしと父は遺体がなくなってしまったことを知らされる。
「浮舟」
装丁:大久保明子 扉絵:久保田珠美
能面:寺井一祐作「弱法師」 協力:京都「田中彌」

中篇が3作収録されているのですが、どれも凄い。
難病の美しい少年の鬱屈した考えと怪しげな魅力、
そして彼を愛し彼の母を愛する医者を描いた「弱法師」。
編集者に恋をした青年作家が彼女のためだけに小説を書き続け
恋心には応えられないがその作品を愛するが故に彼を拒めない
作家と編集者の業が浮き彫りとなった「卒塔婆小町」
綺麗で気風のよい薫子おばさんと
線の細い母、母を愛する父の悲しい三角関係を綴る「浮舟」

どの作品も鬼気迫る勢いがあって、
「卒塔婆小町」の主人公は男性だけれども
中山さんもこれくらいの気概で書いているのだろうと想像できます。
情熱よりももっとしぶとい何かがどっと押し寄せてきて
自分の貧弱な考えなんてあっという間にさらわれてしまった。
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