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評価:
森 博嗣
中央公論新社
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僕は病院から逃げ出した。
フーコに頼って共に旅に出て、
病院でもらった連絡先に電話してサガラと会い、
彼女の組織で匿ってもらうこととなった。
もう飛行機には乗れないのだろうか。
そもそも僕はいったい誰なのだろうか。
名前はほとんど思い出せない。
覚えているのは飛行機の乗り方くらいだ。
表紙写真:

YOUICHI TSUKIOKA/SEBUN PHOTO/amanaimages
ブックデザイン:鈴木成一デザイン室
キルドレについて徐々に明らかになってきます。
彼らの記憶が漠然としているのは
肉体的な変化がなくなって処理経路が短絡するかららしい。
しかしこの主人公が誰なのか結局わからなかった。
エピローグを読む限りクサナギなんだけれど
フーコとのことを考えるとカンナミかクリタっぽいし…
「子供は不十分な存在で、大人だけが人間としての完成形だと、子供に信じさせようとする。騙された子供たちが、大人になることで悩み、そして自分を傷つける。沢山のものを失って、大人へ墜ちていくのではないか。」