ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# 静人日記
評価:
天童 荒太
文藝春秋

全ての人を同じように悼みたい。
生まれたばかりの赤ん坊も、悪意を持っていた人も、
生きている間にきっと誰かを愛し、誰かに愛されていたのだから
そのことだけをずっと覚えておきたい。
もちろん亡くなった人全員を悼むことはできない。
それでも自分の足で行ける所には赴きたい。
死んだ人を忘れてしまいたくないのだ。
カバー彫刻:舟越桂 撮影:天童荒太 装丁:関口聖司

『悼む人』未読ですがこっちだけ読んでしまった。
毎日必ず誰かが死んでいる。
普通の人は知らない人の死まで考えることはない。
しかし静人は知らない人を知ることで覚えていようとする。
宗教でもないし、何の生産性もない。
少し救われる人もいれば、他人の干渉を嫌がる人もいる。
それでも悼み続ける静人を通して
死者への態度を考えさせられる作品です。

私は静人の妹と同じで命を救える仕事をしていたのだから
それを続けた方がよほど人のためになると思うのですが
タキさんの説得にも屈しないくらい
強い思い入れがあるのならしょうがないか、という気にもなります。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:01 | category: タ行(天童荒太) |
# 家族狩り
行動力があるあまり出世街道からは外された馬見原は
仕事では尊敬されることもあるが家族はばらばらだ。
厳しくしつけた長男は自殺して長女はグレてヤンママに。
妻は精神を患って入院し、母親も施設に入っている。
それでも家族の大切さを説き子どもを大切に思っており、
暴力団員の父親から虐待を受けていた男の子とその母親を守り
彼らと擬似家族のような関係になってしまう。
一方美術教師をしていた巣藤は教え子の亜衣から憎まれ
彼女に暴行容疑を着せられた。
さらにテレビで問題発言をして学校を辞職。
郊外に家を借りて絵を描くことにした。
児童心理に携わる氷崎はたびたびセミナーに来る女に手を焼いていた。
公共団体では出来ないような電話受付や相談会を開き
そのビラをセミナーに言っては配っていたのだ。
そして一家心中事件を中心に彼らは家族について考えていく。
装画:日置由美子 デザイン:新潮社装丁室

重い。簡単には解決できないことばかりです。
家族内で起きた問題というのはやっぱり隠したがる。
親は子どもを信じていると言って現実と向き合わない。
子どもは親がわかってくれないと嘆きさらに閉じこもるか
親や弱いものに向かって暴力を振るうようになる。
さらに親が子どもを虐待していたらどうなのか。
そこに愛情があるとは思えないが引き離されると怒る親もいる。
自分たちの家族さえちゃんとしていればよいと思っていても
別の家族のうっぷんがこちらに飛び火することだって考えられる。

解決方法は書かれていないけれど
とりあえずは事なかれ主義をやめて少しでも行動することだと。
自分の思いを話す場所があって聞いてくれる人がいれば
少しはいい世の中になるのではないか、という話です。
大きくまとめれば。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:43 | category: タ行(天童荒太) |
# 孤独の歌声
婦警の朝山風希はコンビニ強盗の事件を追ううちに
襲撃された店員の潤平と出会う。
ミュージシャンとして活動する彼の歌はとても孤独だ。
彼女はこの事件と平行して連続婦女殺人死体遺棄事件を気にかけていた。
彼女が警察となった理由に最も近い事件だったから。
コンビニの防犯カメラをチェックするうちに
強盗が入ってくる直前に潤平に声をかけた客に目を留めた。
隣人の京子まで誘拐されてしまったこの事件、
もしかすると彼が犯人なのではないか。
装丁:辰巳四郎 写真:PPS通信社、榊原咲季/フォトニカ

孤独を知り尽くした上で本当に愛する人と巡りあいたいと考える男。
人は結局ひとりで永遠に続く気持ちなどはないと考える女。
ひとりぼっちだけどひとりぼっちじゃない
と感じさせる音を作り出したい男。
猟奇的な犯罪を中心にひとりということを考えさせられる作品。
若い女の子の一人暮らしってやっぱり危ないかも。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:20 | category: タ行(天童荒太) |
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