ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# こころげそう
下っ引きの宇多には8人の幼なじみがいる。
居候中の岡っ引き長次の一人娘であるお絹、
小間物屋大和屋の若だんな千之助と妹の於ふじ、
大工の棟梁の娘のお染、ぼて振りの弥太、
美人で評判の茶屋の娘のおまつ、
永田屋の真面目な奉公人重松、箱入り娘のお品。
成長していろいろな思いが交錯するようになった彼らを中心に
さまざまな事件が起こる。

神田川で千之助と於ふじの遺体が見つかるが、
2人の父親の由紀兵衛の家を訪ねると於ふじの幽霊が現れ、
さらにおなみという幽霊を探す怪しい男が現れる
「恋はしがち」
しつこく通ってくる永田屋の惣領息子である市助に困ったおまつは
重松や弥太に相談するが、重松が橋の袂で倒れているのが見つかる
「乞目」
お染と弥太の仲をお染の父に告げ口したことでお品とおまつが大ゲンカ、
お品は八卦置きに通っていたのだがその占い師が
最近姿を見せなくなってしまったという
「八卦置き」
弥太への思いを諦めきれないおまつは弥太の長屋に押しかけるが
弥太の祖父の知り合いだという平五郎が住みつき
弥太に商売について教授し始める
「力味」
夜中にお品が男ともめているところを於ふじが見かけるが
お品は夜に出歩いてなどいないと言い、宇多は男の素性を探るため
大和屋の後にできた丸中屋に奉公することにする
「こわる」
お品が川に落ちて亡くなったがどうも事故ではなさそうで、
犯人が誰なのかを調べていくうちにお品の幽霊が現れる
「幼なじみ」
装画:さやか ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

幼なじみの9人の恋模様が錯綜するお江戸ミステリ。
幽霊が出てくるあたりが畠中さんらしいです。
しかしみんな川に流されすぎというか
もうちょっと他の死因もなかったものかなと思ってしまいます。
状況的には一番自然なのだろうけど。

個人的にはお絹にもっと活躍して欲しかったです。
一番素直でまっとうな女の子な気がする。
それか於ふじの魅力をもっと伝えてほしかった。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:39 | category: ハ行(畠中恵) |
# いっちばん
若だんなを元気づけるために贈り物競争を始めた妖たちが
最近話題になっている掏摸を捕まえるのに貢献する「いっちばん」
長崎屋が商売相手と品比べをすることとなり
相手の七之助の行動が気になる「いっぷく」
管狐との再会を願う天狗にさらわれた若だんなは
さらに狐に恨みを持つ狛犬にも目を付けられる「天狗の使い魔」
奉公先の菓子屋で砂糖泥棒を弟弟子に持った栄吉は
その才能に嫉妬して菓子作りをやめようとする「餡子は甘いか」
厚化粧を落としたお雛に言い寄る秀二郎に対して
元からの許婚だった正三郎は納得行かない「ひなのちよがみ」
装画:柴田ゆう 装丁:新潮社装丁室

しゃばけシリーズも7作目です。
ばらばらに動いていた妖たちが出会った結果
掏摸を追い詰める表題作は上手い。
出来すぎ感はあるけれども
こういう風に綺麗に収束される物語って好きです。
「餡子は甘いか」では己の菓子作りの才能に限界を感じつつも
それでもやめられないのだと思い知る栄吉の
逡巡と思い切りに応援したくなります。
自分にはむいていないかもしれないと思いつつも
諦めきれないものがあるというだけで羨ましい。

| comments(0) | trackbacks(0) | 01:20 | category: ハ行(畠中恵) |
# ちんぷんかん
長崎屋が火事に遭い若だんなは煙を吸って
三途の川の畔に迷い込んでしまう「鬼と子鬼」
寛朝の弟子である秋英が任された相談事は
絵の中の男に瓜二つな松之助との縁談だった「ちんぷんかん」
長崎屋のおかみであるおたえが昔
縁談相手のために知恵を貸した想い出を語る「男ぶり」
松之助の縁談先の病弱な長女を預かったはいいが
どうも陰陽師の式神に狙われているようで「今昔」
若だんなのもとに突然現れた庭の桜の花びらの怪を
どうにかして生き延びさせたいと願う「はるがいくよ」
装画・挿画:柴田ゆう

長崎屋を火の粉が襲い若だんなが死にかけたことを受けて
跡取りをはっきりさせるため松之助の縁談が進められていく。
今までのしゃばけシリーズとは少し異なり
短編集なんだけれども背景で大きな物語が動き始めている。
「はるがいくよ」に代表されるように別れの描写も増えてきています。
諸行無常という言葉を思い浮かべながら読了。
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:47 | category: ハ行(畠中恵) |
# うそうそ
稲荷神からのご神託で箱根へ湯治に行くことになった若だんな。
初めての長旅に本人は喜ぶが周りは不安でいっぱいだ。
手代の仁吉と佐助、そして兄の松之助の4人で出発したが
小田原に向かう途中の船で兄やたちの姿が消えてしまった。
心細く思いながらも松之助と2人で箱根湯本に向かうが
今度は雇った雲助にさらわれて朝顔の人質にされてしまう。
さらにその道中でなんと天狗が一行に襲い掛かってきた。
箱根に住む山神の娘である姫神のお守役である天狗たちは
若だんなのことを嫌う姫神のために若だんなを消そうとしたのだ。
まったく心当たりのない若だんなは天狗から逃げ本人に話を聞くと、
龍神の怒りを静めるために村人から人身御供に出された姫神は
妖の血をひきながら人間界でうまく暮らしている若だんなを
ねたましく思っていたそうだ。
このところ日に日に大きくなる地震を治めるためにも
若だんなは姫神の悩みの解決に乗り出す。
装画・挿画:柴田ゆう

しゃばけシリーズ第5弾は久々の長編です。
箱根に湯治に出かける若だんなですが
地震は続くわ仁吉と佐助はいなくなるわ誘拐されるわ
天狗に襲われるわでとてもゆっくりできる環境じゃありません。

普段は若だんな目線で読んでいるので
体のせいで制限されることも多いのに健気だと感じるけれど、
お比女ちゃん側から見ればのうのうと暮らしている若だんなは
自分の孤独やふがいなさを思い知らされる嫌な存在になってしまうのか。
さらに食うや食わずの生活をしている雲助を見れば
恵まれた立場にいるはずなのに幸せを感じられない自分を
また責めてしまう、本当に悩みはつきない。
誰にでも通用する絶対的な『正しい』はない、という天狗の考えは
厳しいけれどその通りだと思います。
だからといって若だんなが世の邪魔になるというのは行きすぎだよなあ。

時代も昔だし妖だらけなのにいつの世も悩みは同じ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:45 | category: ハ行(畠中恵) |
# おまけのこ
神にも仏にも見捨てられた狐者異が持ってきた妙薬を巡って
関係したものがみな不幸になってしまう「こわい」
厚化粧がやめられないことを悩んでいるお雛が
夢の中で屏風のぞきに相談する「畳紙」
まだ五つだった一太郎が子供たちの間で噂になっている影女を追って
近所の子供たちと聞き込みに乗り出す「動く影」
心臓に病を抱えた吉原の禿を逃がすために策を高じるが
禿を気に入っている客が乱入してくる「ありんすこく」
強盗に奪われそうになった真珠と一緒に
鳴家も行方をくらましてしまう「おまけのこ」
装画・挿画:柴田ゆう デザイン:新潮社装丁室

しゃばけシリーズ第4弾はどれも良作でした。
全肯定されることを心から願う狐者異の寂しさ、
素顔をさらけ出すことを恐れるお雛の複雑な気持ち、
病弱な若だんなが知った友達の温かさ、
育ての親に恩を返したいと思うかえでの死への恐怖、
自分を役立たずでないと証明しようとする鳴家の冒険。
狐者異の話は悲しいけれど他は心温まる話です。

解説で谷原さんも書いているけれど
若だんなが人の気持ちの不思議を思う姿に共感できます。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:32 | category: ハ行(畠中恵) |
# ねこのばば
若だんなの兄さんと奇妙な見合いをした娘が
何者かに殺されてしまう「茶巾たまご」
橋を越えてやってきた迷子は自分が帰ると殺されると言い
実際その家では妙な噂が立っている「花かんざし」
若だんなの「桃色の雲」がなくなったのと捕えられた猫又と
寺の松の木で見つかった死体の関係は?「ねこのばば」
旦那様が信じると金が手に入るという妙な信心に手を出し
これを怪しんだ佐助が全力で阻止しようとする「産土」
お春の結婚相手を調べようと外に出た若だんなが
当の献残屋と一緒に武士に捕まってしまう「たまやたまや」
装画:柴田ゆう 装丁:新潮社装丁室

「しゃばけ」シリーズ第3弾も短編集です。
最初に比べて若だんなも随分やんちゃできるようになりましたね。
それは微笑ましいのですが事件の背景はどんどん暗くなっていく。
自分の都合で人を殺すことを何とも思わない町人や
保身のために仏への思いを忘れた僧、
目先の金のために妖に命を差し出す商人など
悪い妖怪のせいではなく人の心の恐ろしさ
悲しい事件を引き起こしていきます。
一番怖くもありほっとしたのは「産土」です。
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:55 | category: ハ行(畠中恵) |
# ぬしさまへ

小間物屋の娘が死に仁吉が容疑者にあがる「ぬしさまへ」
栄吉の菓子を食べた直後に隠居が死んだ「栄吉の菓子」
奉公先のお嬢さんに好かれている気がする松之助の「空のビードロ」
誤って届いた布団からすすり泣きが聞こえる「四布の布団」
仁吉の恋するお吉さんは千年も鈴君を待ち続けている「仁吉の思い人」
妖怪たちが見えないことから誰かの夢の中にいると思う若だんなの「虹を見し事」
装画:柴田ゆう 装丁:新潮社装丁室

しゃばけシリーズ第2段は短編集です。
若だんなの兄の境遇が切ない「空のビードロ」と
弱みなどないように見える仁吉がかわいい「仁吉の思い人」がよかった。
もっと妖怪の活躍する場面があってもいいなあ。

| comments(0) | trackbacks(0) | 01:39 | category: ハ行(畠中恵) |
# しゃばけ

身体の弱い一太郎はこっそり夜歩きに出た帰りに
人殺しと鉢合わせしてしまった。
無事に帰ってこられたはいいものの
幼い頃から側にいる妖の仁吉と佐助にこっぴどくしかられた。
そして捕まらなかった下手人は
一太郎の薬屋に特別な薬を求めて再び現れた。
どこかおかしな雰囲気をした下手人だったが、
彼が捕えられた後も似たような薬屋を襲う事件が続く。
彼らが求めているのは何なのか。
そして若だんなが夜な夜な家を抜け出す理由とは。
装画:柴田ゆう 装丁:新潮社装丁室

身体の弱い若だんなの成長物語、かな。
菓子作りが上達しないで悩む栄吉と
身体のせいで仕事をさせてもらえずに悩む一太郎の対比と
この2人ならではの友情が好きです。
あと妖たちがユニークでかわいいです。何より仁吉がかっこいい。
ドラマでは谷原章介が演じたそうですねーなるほど。

| comments(0) | trackbacks(0) | 00:40 | category: ハ行(畠中恵) |
# アイスクリン強し

お家再興を願う士族に追われる小弥太を匿う「チヨコレイト甘し」
貧民窟の親分の1人に泥棒騒ぎの解決を頼まれる「シユウクリーム危うし」
多報新聞の投書の出所を探る「アイスクリン強し」
コレラの防疫活動に追われながら人探しをする「ゼリケーキ儚し」
謎の手紙の送り主とその狙いを考える「ワッフルス熱し」
時は明治、西洋菓子屋を営む真次郎と
元士族の巡査長瀬、成金小泉商会の1人娘沙羅たちが
変わっていく世の中をどう生きていくのか。
装丁:大久保伸子 装画:丹地陽子

主要人物たちはお金がないと言いつつも
余裕のある生き方をしていて安心して読めます。
もっとたくさんお菓子が出てくるのかと思いきや
巡査がらみの話がメインでタイトルのお菓子もちょっと無理やりかな。
小弥太がもっと出てきてもよかったと思うのですが
いつの間にかいなくなっていつの間にか病気になってたという印象・・・
もうちょっと細かいところを詰めて欲しかったです。

明治の和洋が混ざった雰囲気が好きな方は是非。

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:01 | category: ハ行(畠中恵) |
# とっても不幸な幸運

新宿の地下にある『酒場』で流行り出したのは
百円ショップで売っている『とっても不幸な幸運』の缶。
開けた人には不思議な光景が見え、それが変化のきっかけとなる。
学校で脱法ドラッグが流通する「のり子は缶を買う」
"不滅の恋人"の正体を探る「飯田はベートーベンを聴く」
思い出せない過去を探る「健也は友の名を知る」
『棺桶屋』を追いかける「花立は新宿を走る」
夢を見つけた頃を思い出す「天野はマジックを見せる」
末期がんの女の婚姻届を捜す「敬二郎は恋をする」
装画:寺門孝之 装丁:重原隆

特に第一章で視点が安定しないので話に入り込むのにかなり難航しました。
設定も少し特殊なので最初くらいはもっとわかりやすく書いて欲しい。
缶の名前も中身としっくりこないし…という感じです。
缶が出てこない最後の話が一番好き。

| comments(0) | trackbacks(0) | 23:03 | category: ハ行(畠中恵) |
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