ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# だりや荘
評価:
井上 荒野
文藝春秋

両親が事故で死に、経営していたペンションを引き継ぐことにした
杏と迅人夫妻は、早速山奥へと引っ越し杏の姉の椿の隣で暮らし始める。
杏と迅人の間には何の問題もない。
けれど迅人は椿とも関係を持っている。
東京にいたときからたまに会っていた2人だったが
隣に住むようになってからは密会が顕著になっていた。
そのことに勘付いている杏だったが彼女からは何も切り出せない。
軌道に乗り始めただりや荘は
バイトに元暴走族だったという翼を雇うことにした。
器用な翼はペンションの経営を楽にし、迅人と椿の外出も増えていく。
装画:岡田里 装丁:大久保明子

山奥で暮らす妹夫婦と姉の三角関係。
こんなにも閉鎖的でじめじめとした関係性はないと思うのに
自然が美しいせいか不潔な感じがしない。
杏は2人の関係を気が付いている、
椿は杏が勘付いていることに気が付いている、
迅人だけがうまく隠せていると思っている。
翼にも壊せなかったこのバランスがいったいいつまで続くのか。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:16 | category: ア行(井上荒野) |
# 静子の日常
評価:
井上 荒野
中央公論新社

夫の十三に先立たれた75歳の静子は
息子夫婦と高校生の孫と一緒に暮らしている。
自分で決めたことはぜったいに守ることを信条とする静子は
家族の私生活に口出しはせずこっそりと手出しをする。
フィットネスクラブで水泳に励んだり
新聞配達に来る青年と昼間からお酒を飲んだり
パソコンを習って息子の出会い系をやめさせたり
昔の恋人に会いに老人ホームを訪ねたり
中傷ビラでカゴを作ったり。
そんな静子とその家族の連作短編集。
装丁:大久保伸子 装画:岡村慎一郎 DTP:ハンズ・ミケ

こんなおばあちゃんになりたいと誰もが思うような静子さんです。
年をとってもアクティブに過ごして家族とはつかず離れずの距離。
新しい音楽や技術にも物怖じしないで向かっていく。
自分に正直にゆったりと振る舞う生き様に憧れます。

| comments(0) | trackbacks(0) | 00:55 | category: ア行(井上荒野) |
# 切羽へ
評価:
井上 荒野
新潮社

私は9人しかいない島の小学校で養護教諭をしている。
夫は絵描きで2人とも一度は島を出たがここの出身だ。
東京人など珍しくないが新しく来た音楽の石和がどうも気になった。
出身地を隠しているし島となじんでいないようで子どもには優しい。
「本土さん」と不倫を続ける月江も異色ではあるけれど
彼女とはまた違った違和感を持っている。
たまにしずかさんの家に通いながら
私はいつもと同じ島の日々を過ごす。
装画:根本有華 装丁:新潮社装丁室

閉鎖的にならざるを得ない島の日常と
外から来た人間との間に起こる小さな事件。
石和への気持ちに気づいているようではぐらかし続けるセイに
苛立つ月江の気持ちがわからなくもないです。
自然に使い分けられている島の言葉がセイの立場を物語っている。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:44 | category: ア行(井上荒野) |
# ベーコン
久しぶりに沖さんのもとを訪ねた。
私が4歳のときに出て行った母の恋人だった沖さんは
山一帯を買って養豚をしている人だ。
母の葬式で喪主を務めた彼は人目をはばからず泣いていた。
私が彼の元を訪れたのは2つの知らせがあって、
1つは父が死んだこと。そしてもう1つは私が結婚することだ。
「ベーコン」ほか全9編。
装画:いしわためぐみ 装丁:大久保伸子

食べものってどうして幸せにつながるのだろう。
不倫相手に子どもができたときでも
失業してしまって妻の視線が痛くても
離婚の話し合いをしている両親がいても
恋人だった3股男が虎にかみ殺されても
食べているときはなんとなく嬉しくなる。そんな感じの話。
| comments(0) | trackbacks(0) | 19:40 | category: ア行(井上荒野) |
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