ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# 追想五断章
大学を休学して伯父の古本屋に居候している芳光は
父親が遺したらしい小説を探してほしいと依頼を受ける。
依頼主の可南子の手元にはリドルストーリーの結末らしく文章が五つ。
最初の小説が掲載されていた同人誌に寄稿していた教授、
遺品の年賀状の差出人、と辿っていくうちにこの小説を書く背景に
『アントワープの銃声』という事件があったことがわかった。
可南子の母斗満子が首を吊って亡くなり、
父参吾に殺人の疑いがかけられたという事件、
可南子はすでに生まれていたはずだが彼女からは何も聞かされていない。
参吾が書いた手紙から四篇目は事件を扇情的に報じた
弦巻という記者に送られたことがわかる。
装画:小泉孝司 装丁:芥陽子(note)

父親が遺したリドルストーリーを辿って
現実に起きた事件の真相を明らかにしていく話。
とんとん拍子に進みすぎという感は否めないけれど
ラストのひねりもありプロットがとても上手い。
作中作はそのテーマのせいもあってダークなお伽噺風で、
米澤さんはこういうのも書けるのか、と引き出しの多さを見せられます。
これから芳光がさらにひねていかないかが心配です。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:14 | category: ヤ行(米澤穂信) |
# 犬はどこだ
原因不明の発疹のために実家に帰らなければならなくなった私は
犬を探すための調査事務所<紺屋S&R>を立ち上げた。
しかしクチコミから来た調査以来は人捜しと古文書調査だった。
古文書は高校の後輩で探偵志望のハンペーに任せ、
私は東京のSEとして働いていたという佐久良桐子の捜索を始めた。
会社には辞表を出しアパートも引き払った計画的な失踪に
なかなか手がかりを得ることができなかったが、
以前から何かと相談に乗ってもらっているチャット仲間のGENの助けで
彼女が運営していたホームページで揉め事があったことを知る。
ブックデザイン:岩郷重力+WONDER WORKZ
カバー写真:L.O.S.164

2つの案件がクロスし、さらに追うものと追われるものがクロスする。
ぞくっとするような余韻を残したラストでした。
どこかでGENが登場するのかなあと思っていたけれど
出ないってことは続編があるんですかね?表紙に1って書いてあるし。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:54 | category: ヤ行(米澤穂信) |
# 遠まわりする雛

『秘密倶楽部の勧誘メモ』はどこにあるのか「やるべきことなら手短に」
数学の時間になぜ千反田は怒ったのか「大罪を犯す」
旅行先で見た首吊り幽霊の影とは「正体見たり」
放課後の呼び出し放送から始まる「心あたりのある者は」
正月に神社の納屋に閉じ込められてしまった「あきましておめでとう」
里志への伊原のチョコがなくなる「手作りチョコレート事件」
生き雛の行列のルート変更を余儀なくされる「遠まわりする雛」
装丁:岩郷重力+WONDER WORKZ、祥、K・S

シリーズ物のスピンアウト的短編集をつまんでしまった…
それでも面白かったです。
主人公の理屈っぽい口調が最初気になったのですが
最後の表題作では可愛いところあるじゃん、という感じに笑
里志のポジションがいまいち掴めないのは
他のシリーズでもう説明されているからはぶかれているのか。

| comments(0) | trackbacks(0) | 00:44 | category: ヤ行(米澤穂信) |
# さよなら妖精

雨に濡れていた外国人の少女に声をかけた、
これがユーゴスラヴィアから来たマーヤとの出会いだった。
内紛が続く自国の役に立とうという使命感から
マーヤは飾らない日本の姿を見たいと願い
太刀洗やおれたちは彼女を2ヶ月間もてなした。
そして彼女が帰国してから
おれたちはマーヤがユーゴの中のどこから来たのか
知らなかったことに気づいたのだった。
ブックデザイン:岩郷重力+WONDER WORKZ
カバー写真:KAZUYA YOSHINAGA/WZ

自分たちが知り合った少女がユーゴスラヴィアの
どの国の出身かを探り当てる少し変わったミステリ。
回想録の中でなんとなく生きている少年が
マーヤの真剣さにひかれて自己嫌悪を感じるところとか
少なからず身につまされる覚えがあります。
意欲作だけどいまいちのめり込めない感じ。

| comments(0) | trackbacks(0) | 01:07 | category: ヤ行(米澤穂信) |
# 儚い羊たちの祝宴
 丹山家でお嬢様の付き人となった夕日が
お嬢様をいじめるおばたちを憎む「身内に不幸がありまして」
六綱家の妾腹の娘として別館の早太郎の世話をし
彼のために様々な道具を買いだしに行く「北の館の殺人」
飛鶏館の管理人としてお客様を迎えたく思い
遭難した仲間を捜索に来た山岳部員をもてなす「山荘秘聞」
小栗家の跡継ぎとして大切に育てられた純香が
婿養子の父の弟が殺人事件を起こしたため幽閉される「玉野五十鈴の誉れ」
3人の良家の子女を結びつける読書会・バベルの会が
消滅することとなったいきさつを記す「儚い羊たちの晩餐」
装丁:新潮社装丁室

「身内に不幸がありまして」の秘密の書棚の伏線が
面白かったです。わからなかった上にほぼ読んでませんが。
最後にバベルの会でしめるのだったら
「山荘秘聞」だけが浮いてしまう気がします。
そういえば読書会に参加しなかった吹子は
生き残っているのではないだろうか。

スピンは赤がよかった。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:27 | category: ヤ行(米澤穂信) |
# インシテミル
時給1120百円の一週間モニターアルバイト。
半信半疑で参加した結城をはじめとする12人の被験者は
地下の「暗鬼館」で監視生活を始める。
彼らに求められているのは殺人と推理だった。
全員に武器が支給され個室は鍵がかからない。
しかし彼らは普通に一週間を終えるつもりだった。
西野の死体が発見されるまでは。
装丁:関口信介 装画:西島大介

久しぶりにこんなまっとうなミステリを読んだ気がする。
明かされない武器、鍵のかからない部屋で過ごす夜の恐怖、
疑心暗鬼になる中次々と死んでいく参加者たち。
意外とページ数があるけれどどんどん読めます。

p367の安東のセリフの間違いはいただけないけれど…
初版だからかな。直っているといい。
それとラストの彼女がなんでお金を欲しがったのかが気になります。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:56 | category: ヤ行(米澤穂信) |
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