ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# この本が、世界に存在することに

大学時代に古本屋に手放した本と
ネパールで、アイルランドで再会する「旅する本」
タイの小さな島でマラリアにかかってしまい
バンガローの片岡義男を読む「だれか」
恋人と喧嘩してひとりで訪れた伊豆の旅館で
詩集に挟まった別れの手紙を見つける「手紙」
本の趣味が似た彼との同棲を解消したけれど
本棚を整理するうちに涙が出てくる「彼と私の本棚」
災難が続くのをいつの間にか部屋にあった本のせいにして
元彼に押し付けようとする「不幸の種」
裏表紙にびっしり書き込みがあるという伝説の古本を求めるうちに
すさんだ生活から離れていった「引き出しの奥」
昔の万引きを謝り自分の本を置いていくために
地元の小さな本屋を訪ねる「ミツザワ書店」
入院したおばあちゃんに頼まれて古い本を探し歩くが
なかなか見つからない「さがしもの」
はじめての恋人にさんざん悩んだ挙句
バレンタインに自分の好きな本を贈る「初バレンタイン」
つまらない本などはなく、相性が悪いか好みに外れるかだと語る
「あとがきエッセイ 交際履歴」
装丁:帆足英里子・笹倉恵介 写真:中島古英

本とのつきあい短編集。共感するところがたくさんあります。
そして普段ブックオフすら行かないのですが古本屋に魅かれました。
「旅する本」みたいな運命はそうそうないと思いますが
前の持ち主を想像したり、誰かの手紙が挟まっていたり、
落書きがあったり、新刊では味わえない人間の痕跡を見つけたいです。
私は図書館フル活用派なのですが
たまに前の人のレシートが挟まってたり
この前は桜の押し花が入ってたりしてちょっとわくわくしました。
本の中身ももちろんですが媒介となる物としての本もいいですね。

| comments(0) | trackbacks(0) | 00:01 | category: カ行(角田光代) |
# 八日目の蝉
評価:
角田 光代
中央公論新社

不倫をしていた希和子は相手の赤ん坊を誘拐してしまった。
生まれるかもしれなかった薫と名づけた彼女と2人で
友達の家、知らないおばあさんの家、
女ばかりの施設「エンジェルホーム」、そして小豆島と
各地を転々と逃げ続けるが新聞に載った写真のせいでついに捕まってしまう。
無事家に戻れることとなった薫だったが
実の家族たちのはずなのにぎくしゃくとした生活を送る。
そして自分も不倫をしてしまうのだった。
装画:水上多摩江 装丁:坂川栄治+田中久子(坂川事務所)

全然先の展開が読めなくてぐいぐい読ませます。
2人の逃亡劇はどこまで続くのか。
恵理菜は子どもを生むのか。
1章がずっと希和子の視点だからか
薫の両親の方が悪い人のように思えてしまい
ずっと逃げられれば幸せだったのではと感じてしまうけれど
誘拐によって壊された部分も多々あるわけで。
でもそもそも不倫もいけないし…
どこまで原因を探ればいいのかわからないくらい絡まりあった話です。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:03 | category: カ行(角田光代) |
# ロック母

喧嘩してばかりの父と母に噂話ばかりしている近所の人々、
狭苦しい田舎町をガンジと抜け出したい「ゆうべの神様」
バンコクで知り合ったコウちゃんと今日限りと思いつつ
次の日も次の日も出くわしてしまう「緑の鼠の糞」
金をせしめて蔑んだ目をする上海人に
女の振りをしてトイレに行くことで仕返しを図る「爆竹夜」
前妻の生霊のせいなのかこのアパートの一室では
不吉なことばかり起こる「カノジョ」
相手のいない出産のために島に戻ると
母は大音量でニルヴァーナを聞いていた「ロック母」
坂の上から不幸がボールのように転がってくると唱える父が
今死の淵に立っている「父のボール」
仕事で来たウイグルのガイドと運転手が喧嘩するたびに
結婚寸前で別れた男を思い出す「イリの結婚式」
装丁:山田拓矢

短編集ですが、どれも書き出しが凄い。
インパクトのある言葉でいきなり本編に引きずり込まれます。
決して綺麗ではない情景ばかりだけれども
人間の体温が伝わってくるような作品たちです。

| comments(0) | trackbacks(0) | 11:43 | category: カ行(角田光代) |
# 庭の桜、隣の犬
宗二が仕事で遅くなったときのためにアパートを借りると言い出した。
合鍵を渡された房子はその家を何とはなしに探すが
見つけたいとは思わなかった。浮気でもしていた方が楽だったのか。
がらんとしたアパートを非日常的といって気に入るレミや
生活道具がないといって百円均一で家具を揃える宗二の母。
このアパートは夫婦の間のゼロを表しているのかもしれない。

特に問題はないはずなのにしっくりこない夫婦。
家っていう器がすごく問題になっているようだがよくわからなかったー
ただないものねだりじゃないけど空虚感みたいなのはたまに感じる。
けどこの表現は私のものとは違う。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:05 | category: カ行(角田光代) |
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