ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# グッドラックららばい
母の鷹子が家を出たとき、積子は高校を卒業したて、
立子は中学の卒業式を目前とし、父の信也はいつも通り信金で働いていた。
伯母の佐代子は騒ぐが、物事に波風を立てたくない信也と
男の部屋に入り浸り始めていた積子は騒がず、
立子も母がいなくなって悲しいというよりは
世間体を気にして悲劇のヒロインを演じたがっていた。
それから10年あまりの歳月鷹子は月城一座から小さな旅館のおかみ、
左官屋、マッサージ師と居場所を転々としつつ帰ってこない。
積子は駄目な彼氏たちに貢ぎながら職を次々と変え、
立子は玉の輿に乗るも離婚して起業をすることに、
父は退職後鬱になるが立子の会社を手伝うことで元気を取り戻していた。
装画:クサナギシンペイ 装丁:鈴木成一デザイン室

妻が、母親が、「心配しないで」という電話だけでいきなり家を出たらどうしますか。
慌てふためいて捜すのが一般的な家族だと思いますが、片岡家は違う。
若干の不自由は感じるものの、自分たちの生活が変わらないのならば
変に騒ぎ立てることもないと判断する超マイペース一家です。
伯母の佐代子があれこれ世話を焼きたがるのも無理はない。
こういうドラマがあったら面白いなあ。
家族は一緒にいなければならない!っていう風潮を破り、
それでも家族の懐の深さや安心感を伝えてくれる。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:06 | category: タ行(平安寿子) |
# ぬるい男と浮いてる女
仮面夫婦の夫がオーナーで甥が店主のカフェが出来たが
どうせすぐ潰れるだろうと思いつつも見守る「長い目で見て」
交流もなかった同級生の親族の葬式に列席するのが趣味の彼女が
どうしても気になる「ブルーブラックな彼女」
家具屋のお得意様に迫られた剛は引きに引き
同僚から自分が草食男子だと言われることに納得する「滅亡に向かって」
シングルで定年を迎えたがカルチャースクールのバレエ教室では
孫のいる裕福な初老の上流未亡人を演じる「浮いてる女」
靴屋でぼんやりアルバイトをしていると
何故かあるお客に気に入られコンサートに誘われる「ぬるい男」
喫茶店で知り合った電化製品を壊してしまう体質の女に惹かれ
彼女の営む雑貨屋に通いつめるが他にも何人もの男がいる「えれくとり子」
装丁:野中深雪 装画:林幸子

肉食女子と草食男子の短編集。
とても打算的なので綺麗事には飽きた人におすすめします。

ビジネスライクな結婚をして自分に迷惑がかからなければいいと思う女、
他人の葬式で自分が生きていることを実感する女、
草食男子だと言われるがまったく自覚のない男、
ずっとシングルなのに上流未亡人を演じる女、
とにかく周りに迷惑をかけなければいいと考える男、
言い寄る男は拒まないがセックスが必ずしも必要ではないと考える女。
現代社会を風刺する作品が多いです。

中でも「浮いてる女」が一番リアリティがあるかなあ。
おひとりさまなんて素敵な言い換えもありますが
実際年を取ってからの一人暮らしって
病気、怪我、お金、悩むべきところはたくさんで誰を信じていいのやら。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:42 | category: タ行(平安寿子) |
# さよならの扉
評価:
平 安寿子
中央公論新社

末期ガンを診断された夫の卓己から告げられたのは愛人の存在だった。
そのまま卓己は逝き仁恵は志生子という女性に電話をかけて
家に焼香に来るように言いつけた。
仁恵はあまり年の変わらない志生子と友達になりたいと思い
彼女とだけは卓己の話ができることを嬉しく思う。
というのも仁恵は実感がわかないのか
夫を失ったのに未だに泣くことができないでいるのだ。
一方志生子は自分に馴れ馴れしく接してくる仁恵を気味悪く思うが
卓己との関係に負い目を感じて突っぱねられない。
また志生子には昔は浮き名を流し今は施設にいる父を
看取らなければならないという役目があるのだった。
装画:北村人 装丁:中央公論新社デザイン室

夫が死んだ後で妻が愛人をののしるどころか
友達になろうとするなんて不自然すぎるのに
仁恵の鈍感すぎるキャラクターがいるから納得させられてしまいます。
それでももし自分が不倫相手の奥さんにこんな風に接してこられたら嫌だ。
愛人だった志生子にとっては生傷をえぐられるようだろうなあ。
いっそのことののしってくれた方が楽だろうに。

志生子が父親に対して生きていて欲しいけれども
いつまでも面倒を見なければならないのが苦痛に思い
そして苦痛に感じてしまう自分に嫌悪感を抱くというのは
実際に介護を経験された平さん自身の感想なのだろう。
自分の感情に板挟みになっている様子がありありと描かれています。
| comments(0) | trackbacks(0) | 01:14 | category: タ行(平安寿子) |
# こっちへお入り
友美の落語の発表会を見に行った江利は
講師の楽笑や他の受講生に勧められて落語を始めることにした。
どうせただだからと軽い気持ちで始めたのだが、
長いと思っていた『寿限無』を1週間で覚え高座名も決めると
やる気も出てくるもので手当たり次第に落語のCDを聞くように。
そうして古臭いと思っていた落語の噺が実は
とても身近で共感できるものだと知る。
三十を過ぎて会社も面白くなく彼氏ともファミレスでたまに会うくらい、
両親が弱気になって弟夫婦が家業を継ぐ継がないでもめ続き、
それでも落語を通して身の回りの面白さに気づくのだった。
装丁:松昭教

アラサーOLがカルチャーセンターの落語教室に通うことで
物の見方が変わっていくストーリー。
道具屋のおかみが言伝を聞きかじる『金明竹』、
滞納した家賃を棟梁が立て替える『大工調べ』、
女房に口出しされて意固地になる亭主の『粗忽の釘』、
博打の借金のために娘が身売りで拵えた金を
見知らぬ男に全部あげてしまう『文七元結』、
祭り見物に出かけた男が乗っているはずの舟が沈み
てっきりその男も死んだと思われる『佃祭』、
女房子どもと別れて改心した男が家族再生を果たす『子別れ』、
ぐうたら亭主が大金の入った財布を拾うが
女房はそれを隠して夢だと言い張る『芝浜』
表題に使われているだけでもこれだけの作品が紹介されています。
落語を聞く入門書としても、アラサー世代のビタミン剤としても読めそう。

江利は身の回りの困ったちゃんたちも落語の世界に引きつけて
面白く見ているけれど実際はこんなに客観的には見られないだろうなあ。
途中で友美に瀬戸内寂朝みたい、と言われているように少し達観している。
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:51 | category: タ行(平安寿子) |
# 風に顔をあげて

ビールガールをしている風実は
25歳になった自分を考え違う仕事を探そうと決意した。
ファミレス、ジーンズのアウトレットなど職場を転々とするが
これといった仕事は決まらず、
悩みを相談しようとしても周りもゆれてばかりだ。
彼氏の英一はボクサーの夢に敗れて保父をしようと考えているし、
弟の幹はいきなりゲイだとカミングアウトをして家出してきたし、
飲み仲間の小池さんは利益追求を促すポストについて人間味を失ってきているし、
父は昔不倫の末家を出て行き、母は元から自分が一番可愛い人間だ。
装画:ヒロミチイト 装丁:高柳雅人(角川書店装丁室)

25歳でフリーターの女子が自分の将来を模索する物語。
途中で何度かゲイの弟と自分を比べて
どちらが楽か考えるシーンが出てきますが、
何を持って楽とするかにもよるんじゃないかなぁ。
信念とか軸みたいなものが決まっていれば
進む道を迷うことは減るだろうけれど
向かい風に立ち向かわなければならないときはつらい。
それでも私としては進む方向が決まっていてつらい方がいいなぁ。

| comments(0) | trackbacks(0) | 19:57 | category: タ行(平安寿子) |
# あなたがパラダイス
ジュリーのCDのやりとりを通じて知り合った
未亡人の坂崎を意識し始める「おっとどっこい」
介護が必要な実の両親に義理の両親、定年間近の夫、
フリーターの息子に甘えん坊の娘を抱える「ついに、その日が」
離婚してフリーライターとして生きるため
取材ついでに更年期対策の会に入った「こんなはずでは」
そして彼らがジュリーのコンサートに集う「まだまだ、いけます」
装画:七字由布 装丁:坂川栄治+田中久子(坂川事務所)

更年期ってそんなに大変なものだったとは。
40後半から女性はつらいみたいです。
そんな彼女たちの救いになるのがジュリー。
最近の姿しか知らなかったのでyou tubeで見てみました。
格好よかったんですね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:39 | category: タ行(平安寿子) |
# Bランクの恋人
評価:
平 安寿子
実業之日本社

ガールフレンドはとっかえひっかえだけれど
寂しい人だと言われる次郎の「Bランクの恋人」
鍛え上げた口稽古でアルバイトの男の子の
恋路を助けようとする信友氏の「アイラブユーならお任せを」
気になっている歩からDVを受ける
世間知らずのミナを預けられた美由紀の「サイド・バイ・サイド」
可哀想な男ばかり好きになる音楽教師に
男の子を紹介してもらうことにした「はずれっこコレクター」
ドント・ウォーリー、ビー・ハッピーを信じる
ドラマー崩れの父親にうんざりなルミの「ハッピーな遺伝子」
バーで知り合ったゲイのくうちゃんの恋路を応援しつつ
自分は恋に消極的だと実感する美和の「利息つきの愛」
結婚したとたん倒れた舅がついに亡くなり
政治家の義姉にふりまわされる亜希の「サンクス・フォー・ザ・メモリー」
デザイン:鈴木正道

「アイラブユーならお任せを」と「利息つきの愛」がよかった。
こんな風に口達者な人ってなかなかいないだろうけど
言われたらまんざらでもないって思っちゃいそうです。
平さんには経験則があるからかどの世代もキュート。

| comments(1) | trackbacks(1) | 10:29 | category: タ行(平安寿子) |
# センチメンタル・サバイバル

画材屋でアルバイトをするるかは
社員研修のプロとして独立した叔母の元で暮らすことに。
24歳フリーターでなんとなく彼氏とつきあっているるかは
48歳独身の派手好きキャリアウーマンの叔母から
仕事や恋愛について様々なことを学んでいく。
整形手術のリスクは止まらなくなること。
女のセックスアピールは最大の武器。
仕事は努力を裏切らず、恋愛はその心の筋トレ。
ギスギスした二の腕よりプルプルの二の腕。
片想いを自分だけで育てると相手の実体を見誤る。
その間に新しい男の子との出会いがあったり
母がそば屋の父と喧嘩して家出してきたり。
イラスト:辻恵子 ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

覇気の無い若者と更年期を目前にしたキャリアウーマンの人生訓。
考えてみたら今の自分と母と同じぐらいの年代なのだなぁ。
叔母さんの言うことに納得しながらも反発を感じる
るかの気持ちがよくわかるし教訓になったように思います。

| comments(0) | trackbacks(0) | 13:25 | category: タ行(平安寿子) |
# 恋はさじ加減
哲学講師と別れた沙織はふっきることができずに
営業に来る俊哉と焼き蛤を食べに行く「野蛮人の食欲」
男はみんなポテトサラダ好きだと力説する光洋よりも
トイレの工事に訪れたフミオにひかれる「きみよ、幸せに」
志奈のタマネギ嫌いを克服させるべく
あらゆるタマネギ料理を持ってくる徹と喧嘩する「泣くのは嫌い」
カレーうどんが大好きな充に路子は
どうしても自分の方を向いて欲しいと願う「一番好きなもの」
書斎の片付けを請け負ったおじさんに
バターご飯で釣られたロミが苦悩する「とろける関係」
料理ができないことをコンプレックスにする典子は
夫の修介から梅干しに近寄らないよう怒られる「愛のいどころ」
食べ物と恋愛の短編全6編。
装画:水口理恵子 装丁:新潮社装丁室

食べ物に一家言持つ男の人がたくさんいるけれど
やっぱりおふくろの味という考えは健在なのか。
一番収まりがいいのは「愛のいどころ」かなぁ。
料理コンプレックスをカバーできるほどのかっこよさ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:58 | category: タ行(平安寿子) |
# 恋愛嫌い

猫とブログがあればいい、通販のデータ処理をする翔子26歳。
あきらめがちなコンタクト販売員の喜世美29歳。
美人で完璧主義者のスナック菓子営業鈴枝35歳。
ランチ友達の彼女たちはみな干物女である。

喜世美が初めての男と再会する「恋が苦手で…」
翔子がブログ仲間のコブ茶と会う「一人で生きちゃ、ダメですか」
鈴枝が昔男を取った女と再会する「前向き嫌い」
喜世美が嘱託に来た医者に誘われる「あきらめ上手」
翔子がIT長者になった昔仲間におごられる「キャント・バイ・ミー・ラブ」
鈴枝が行きつけのバーテンを狙う「相利共生、希望します」
喜世美が子持ちの男性と結婚することになった「恋より愛を」
装丁:葛西恵 装画:瀧波ユカリ

干物女万歳!笑 共感できてしまうのはまずいのかもしれない。
いわゆるモテに違和感を覚える人は是非。
最後の一話だけ異色だった気がします。
結婚は勢いということなのか。

| comments(0) | trackbacks(0) | 12:38 | category: タ行(平安寿子) |
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