ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# ポトスライムの舟
工場に貼ってあった世界一周のポスターを見たナガセは
その費用が工場の年収とほぼ同額の163万円だと気づく。
これまでは母と暮らす古い家の改修費用にあてようと
漫然と貯金していたが、この先1年間は
友達のヨシカの営む喫茶店やパソコン教室のアルバイトの
給料だけで暮らして163万円貯めてみることにした。
しかしいざ節約を始めると友人たちとの交際費がかさんだり
りつ子が娘の恵奈と一緒に転がり込んできたり
ついには疲労で風邪が長引き工場を休むことになってしまう。
「ポトスライムの舟」
新卒で印刷会社の支所に配属されたツガワは
一緒に働く高卒の先輩たちになじめず
V係長から理不尽にののしられてばかりいた。
同じビルで働くナガトさんだけが唯一の友達で
係長の愚痴を聞いてもらうのだったが
ナガトさんは彼女なりに営業の悩みを抱えているらしい。
ついにツガワは狂言自殺未遂を図り入水しようとするが
あいにくの増水で決心が揺らぎ
退職届をポケットに入れたまま働き続ける。
「十二月の窓辺」
装画:のりたけ 装丁:名久井直子

働くことに意義を見出せない女性たちの話です。
誰だって不安と不満を抱えながら仕事をしている。
生活の描写がとても丁寧なのだけれど
あまり訴えてくるものがないです。
そこがまた現実っぽさを表現しているのか。
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:12 | category: タ行(津村記久子) |
# アレグリアとは仕事はできない

わが社のコピー機、アレグリアは仕事をさぼってばかりいる。
そのことをミノベがどれだけ訴えても
先輩は呆れ気味だし男性社員の仕事には影響はなく、
サポートセンターから来るアダシノは待たせてばかりだ。
膨大なコピーが必要な仕事を終えた翌日
先輩は会社を休み、アレグリアの違う所にもエラーが出始めた。
「アレグリアとは仕事はできない」
満員電車に揺られるのは人生の最良の時期について考える大学生、
雑誌を読んだり居眠りをしたりしてすごすサラリーマン、
痴漢を許せないOL、そして痴漢に遭う女子高生だった。
「地下鉄の叙事詩」
装丁:鈴木成一デザイン室 写真:高橋和海

些細といえばそうだけれども軽んじることができない
日常生活のいらいらを物語に昇華させた作品。
津村さんは実際に会社勤めをしているから
ここまでリアルな感情描写ができるのだろうなぁ。
こういういらいらで何が一番辛いかといえば
共感してくれる人が周りにいないことだ。
「だからどうしてそれを口に出してくれなかったんですか。」

| comments(0) | trackbacks(0) | 19:42 | category: タ行(津村記久子) |
# 八番筋カウンシル
評価:
津村 記久子
朝日新聞出版

 作家デビューを果たしたタケヤスは退職して地元に戻ってきた。
ホカリの家で店番をしていると次々に訪れる八番筋カウンシルの人々。
彼らは地主のエトばあさんの土地を売って
ショッピングモールを建設するか否かで話し合っているらしい。
しかもその担当をしているのがヨシズミのおじいさんの死に
関係があると疑われて町を追われたカジオだった。
カウンシルの意向よりもエトばあさんに確認するべきだと思い
タケヤスはエトばあさんの友達の家を訪ね、
カジオの妹のアキと再会する。
ホームレス支援をしているアキと連絡を取りたいがために
タケヤスは失踪した父親を探していると言ってしまい
会いたくなかった父と会う羽目になってしまった。
そして父からヨシズミの祖父の死の真相を知り…
装丁:田中彩里 写真:佐藤信太郎

スルメ本だと思います。
最初読んだときはあっさりした印象だったけれど
レビューを書こうと思ってぱらぱら読み返すと
人間模様が浮き上がってきて深みを感じた。
ホカリと比べてタケヤスの大人になりきれていない所が目立つ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:39 | category: タ行(津村記久子) |
# 婚礼、葬礼、その他
ヨシノは友達の結婚式のために今日予約した旅行をキャンセルした。
さらに電話で二次会の幹事まで任されてしまうが
呼ばれる人生を送るヨシノはしょうがないかと納得する。
しかしこれから披露宴という時に上司から電話があり
部長のお父さんの通夜に借り出された。
生前あまり評判がよくなかったと孫娘に聞かされた通り
愛人同士で喧嘩しているわ
行けなくなった二次会で幹事は痴話喧嘩しているわ
お腹が空いているわでまいってしまう。
装丁:野中深雪

お腹が空く話です。おいしいものがたくさん出ているからではなく。
ヨシノと一緒に思わずイライラしてしまった。
周りが自由すぎるというか自分勝手というか。
「冷たい十字架」もそうだけれど描写に生活感がある。
| comments(0) | trackbacks(0) | 09:55 | category: タ行(津村記久子) |
# ミュージック・ブレス・ユー!!
評価:
津村 記久子
角川グループパブリッシング
片時もヘッドホンを外さない音楽中毒のアザミは
進路を決めなければならない時期なのに
やりたいことが見つからなくて、でも危機感はない。
ベースをやっていたバンドは仲違いで解散したし
スタジオでバイトしていたメイケ君は
アヤカちゃんと付き合っているみたいだし
なんとなく上手くいかないことばかりだ。
装丁:鈴木久美(角川書店装丁室) 装画:カンバラクニエ

洋楽中毒の人向け。
高校生の悩みが中心なのだけれど特に解決されていないのがいい。
ここですぱっと割り切れてしまったら変に嘘くさい。
チユキが常識人っぽいのに思い切ったことを連発してて面白かった。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:12 | category: タ行(津村記久子) |
# 君は永遠にそいつらより若い
「河北がいなければアスミちゃんと出会うこともなく、吉崎君が河北ともめていなければ、わたしはアスミちゃんを部屋に連れ帰ることもなかった。アスミちゃんがいなければイノギさんに声をかけることもなかっただろうし、ヤスオカがうちにこなければ、イノギさんがあのことを切り出したかどうかわからない。穂峰君がまだ生きていれば、わたしは今頃イノギさんといっしょにいたのかもしれない。少なくとも、疎遠になってしまうことはなかったのかもしれない。逆に会うこともなかったのかもしれない。」
地味・不真面目(のちに真面目に)・変わっているという
ステータスをもつわたしが彼らと出会い別れるまで。

タイトルがずーっと気になってて
でも毎回他に借りたい本がいっぱいあったから先送りしていた本です。
全部読み終わってからこのざっとした因果関係を読むと納得。

なんだか変な人がいっぱい出てきます。
基本的に大学生の話なんだけれどその割りに悩みが青い。
ヤスオカの子供っぽさと河北の中二っぽさは特に。
イノギさんはアングラな感じかと思っていたので
女の子たちとけらけら笑っている姿はあまり想像できないなぁ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:19 | category: タ行(津村記久子) |
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