ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# ダイナー
評価:
平山夢明
ポプラ社

運転手で30万もらえるという怪しいバイトに行った先で
見知らぬ男たちに捕まったオオバカナコは
殺し屋専門の定食屋キャンティーンに売り飛ばされた。
シェフのボンベロの下でウエイトレスをすることになったが
ボンベロの相棒であるブルドッグの菊千代をはじめ
傷だらけの<スキン>、少年の格好をした<キッド>、
ドーベルマンを連れた<ボイル>、絶世の美女<炎眉>など
個性豊かな殺し屋たちに囲まれいつ命を奪われるかわからない。
高級酒を人質にとったりとなんとか渡り歩くカナコだったが
組織の内部抗争でキャンティーンが閉鎖されることに。
装丁:坂野公一welle design

おいしそうなカバーに惹かれて読み始めたら
暴力シーン満載のグロテスク描写が続いて躊躇しました。
殺し屋しか集まらないダイナーでは
店内での殺し合いも日常茶飯事で絶対馴染めないと思っていたのに
いつの間にか殺し屋たちがかわいく思えてくるから不思議です。
やっぱり料理もおいしそうで、
こんなボリュームのあるハンバーガー食べてみたい。

カナコがどうして心臓を刺したときの感触を知っているのかが
最後まで謎でした。本当はもう少し殺しの経験があったのか?
| comments(0) | trackbacks(0) | 16:06 | category: ハ行(その他) |
# ひまわりの祝祭
評価:
藤原 伊織
角川書店(角川グループパブリッシング)

妻が自殺してからデザインの仕事をやめて隠居状態だった僕は
かつての上司である村林から五百万をギャンブルですってくれという
風変わりな頼みを受けた。
連れて行かれたカジノには村林の顔見知りである老人と
死んだ妻にそっくりの女がいた。
女は僕を追って来たので妻のことやなぜそこにいたのか尋ねたが
彼女は何も知らされずに老人につきそってきただけのようだった。
そうして家に帰ってみれば自宅の戸口が破壊され
監視の車がうろうろしている。
さらにカジノのマネージャーであった男が接触してきた。
彼らは別々の組織だが狙いはどうやら妻が見つけた八枚目のひまわりらしい。
しかし僕はそのことについて何も聞かされていないのだ。
カバーデザイン:片岡忠彦The Bridgeman Art Library/AFLO

ファン・ゴッホの八枚目のひまわりを巡るサスペンスです。
前半はなんとなく村上春樹っぽい印象でした。
主人公の何事にも関心を抱かない感じとか謎の女の登場とか。
でもストーリー展開がはっきりしているから純文学ではないのかな。
後半はいろいろな人間関係が明らかとなって
だんだんこんがらがってきましたが落ち着くべきところに着地しています。
英子がいい女すぎるのが現実味にかけるかも。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:32 | category: ハ行(その他) |
# らいほうさんの場所
ネット上でマイナーメジャーな占い師をする志津、
市民センターで堅実に働く真奈美、
工事現場でバイトをする大きな子どものような俊の中年3兄弟は
庭のらいほうさんの場所を守り続けている。
危うく均衡を保っていた兄弟関係だったが、
昔志津に占ってもらったと言って自宅まで来た女が
突然預けていった3歳の娘や
俊に仕事を紹介してくれた稲森さんらの存在で
俊が暴れ出し志津も情緒不安定になってきて
真奈美は家を出ることを真面目に考えはじめる。
装画:牧野千穂 装丁:大久保明子

なんとも不気味な話です。登場人物がいずれも不安定で恐ろしい。
日常で思いついた言葉を書きとめて占いをする姉、
甘やかされて育ったためろくに仕事にも就けないでいる弟、
そして昔占ってもらったことがあると言い自宅まで着いてくる女。
特にこの女の持つ悪意がどうしようもなく嫌な気持ちにさせる。
一番入りやすいのはやはり次女の真奈美の視点かな。
40を超えても同じ家で暮らす自分たちの状況に気持ちの悪さを感じていながらも
他に頼るものもおらず結局は寄りかからないといけない、
現状から逃げたくても容易に逃げ出せないジレンマ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:23 | category: ハ行(その他) |
# ひゃくはち
佐知子から実は高校時代に会ったことがあると打ち明けられた。
その頃から眼をそらし続けてきた俺は
テレビで甲子園予選を眺めながら8年前のあの頃を思い返す。
強豪の京浜高校に入学した俺は一般入試組ではあるが
3年で寮長を任されセンバツベンチ入りのチャンスが見えてきた。
同じく一般組の親友ノブと共にベンチ入りを目指したが
ぎりぎり滑り込めたのは俺だけだった。
結局試合は初戦で事実上の決勝戦とも呼ばれた試合に負け
夏の甲子園に向けて俺たちはさらにヒートアップする。
しかし最後の大舞台を目前にしてノブの様子がおかしい。
装丁:猪上俊彦 装画:杉山喜隆

スポ根ものだと思っていたけれど全然違った。
まず世間が思い描いている甲子園球児のイメージとはかけ離れています。
酒タバコは当たり前、合コン三昧だなんて。
主人公もベンチ入りのムードメーカーで
野球風景よりも高校生たちの生活を中心にした作品です。
寮生活や試合での一喜一憂には引き込まれます。
一方で現在の描写はこんなにたくさんいらなかったのでは。
あと地の文の一人称は僕なのに会話では俺になるのは何故?

「結局、僕たちは一介の高校生ではいられなかった。
 僕たちには野球以上のものがあっちゃいけなかった。
 「それが俺たちの基準だったから」」
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:32 | category: ハ行(その他) |
# 退出ゲーム
評価:
初野 晴
角川グループパブリッシング

文化祭を目前として化学部の展示品である
劇薬の硫酸銅の結晶が盗まれる「結晶泥棒」
校内でルービックキューブがブームとなり
死んだ弟が遺した白いキューブの謎を解く「クロスキューブ」
演劇部と即興劇で勝負することとなり、
お互いの言い分をブロックしあう「退出ゲーム」
発明部の作品である見たい夢を見られる枕を
どうして女子中学生が買ったのか「エレファンツ・ブレス」
弱小吹奏楽部に所属する千夏とハルタが
顧問の草壁先生のためにも部員集めに奔走しながら推理する。
装丁:坂野公一(wele design)
写真:orion/amanaimages

学園推理コメディです。米澤穂信さんっぽいイメージを受けました。
発想は面白いんだけれども展開が急で
その度に少し戻って読み直さないとうまくつなげられませんでした。
あと気軽な語り口の割りに謎の背後にあるテーマが重い。
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:56 | category: ハ行(その他) |
# 旅をする木
きっかけは神田の古本屋で見つけた1冊の写真集だった。
アラスカに強烈に惹かれた著者は宛名も住所も不確かな
手紙を出し、奇跡的に3ヶ月のホームステイを受け容れてもらった。
19歳のその経験が忘れられず、写真を仕事にして
アラスカに暮らすようになった。
さらに結婚によってアラスカに根を下ろし
地元の人やカリブーたち、熊の調査など自然の大きさを感じながら
それと切に向き合う姿を記したエッセイ。
装画:ほんめつとむ「およぐシカ」(ねむの木学園)
AD:三村淳

アラスカの大自然を等身大で語るエッセイ。
星野さんはこのあとがきを書いた1年後に熊に襲われて亡くなったそうです。
惜しいけれどもこれだけ命に向き合ってきた星野さんなら
運命だったのだろうとうなずけるような気もします。
アラスカで暮らすことを決断することはなかなかできないけれど
「ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、
 確実に、ゆったりと流れている。」
ということを心に留めておきたいです。

読み終わった次の日にコニカミノルタプラザの
「宇宙から見たオーロラ展2010」でアラスカのオーロラを見てきました。
これを毎日生で見てたら行き方も変わるだろうなあ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 14:06 | category: ハ行(その他) |
# ボックス!
評価:
百田 尚樹
太田出版

特進クラスの木樽優紀は幼なじみで体育クラスの
鏑矢義平の強さに憧れてボクシングを始めることにした。
運動が得意でない優紀だったが堅実に努力を重ねることで
次第にボクシングの面白さがわかってくるが、
鏑矢の圧倒的な才能には敵わず尊敬と羨望を抱く。
そもそも鏑矢のボクシングは伝説的なジムで鍛え上げられたもので
アマチュアよりもプロに向いたパワーのボクシングだった。
しかし階級を変えた鏑矢は無敗の王者である稲村に負けて
ボクシングをやめてしまう。
彼に助けられた女教師の高津耀子やマネージャーの丸野はひきとめるが
監督の沢木はボクシングは危険なスポーツであり
去るものを追ってはいけないとたしなめられる。
そして優紀は鏑矢の影を追わなくなり自分のボクシングに向き合い始めた。
装丁:ミルキィ・イソベ

才能か努力か、パワーか冷静さか、
異なるスタイルのボクサーがぶつかり合う青春小説です。
ボクシングについて全然知りませんが
初心者の先生と生徒が語り手なので詳しく説明してくれます。
他のスポーツとは違ってメンタル面がかなり影響することは
なんとなく予想が着きましたが
体格に恵まれない選手でも体重別なのでハンディがなく
純粋に強さだけが求められるだなんて考えてもみなかった。

天才が秀才に敗れてボクシングを離れるけど復帰、
という流れは予測してたけどこういう形で戻ってくるとは。
傍若無人だったのに人の踏み台になってもいいだなんて
天才は自分の限界がわかるのも速いということなのかなぁ。
高津先生を巡る恋愛路線はなくてもよかった気がします。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:08 | category: ハ行(その他) |
# TOKYO BLACKOUT
評価:
福田 和代
東京創元社

鉄塔が爆破され東京は闇に包まれた。
いや、もっと深刻な電力不足となるのは明日の日中だ。
さらに電力制御システムにも異常が見つかり、
このシステムを開発した安西が行方を眩ました。
電気の回復に心血を注ぐ電力会社の社員たち。
ICUにいる娘のためにも安西を必死で探す周防。
故郷に戻るための資金を集める外国人労働者たち。
混乱の続く東京で安西の真の目的とは。
カバーデザイン:岩郷重力+WONDER WORKZ

東京総停電という大規模なテロなのに
電力の復旧と犯人探しに焦点が絞られているため
市民生活の混乱があまり伝わってきませんでした。
真夏に24時間以上電気が止まればどうなるのか、
考えただけでも恐ろしいです。真冬の方が怖いかも。

爆破の実行犯が必要だったとはいえグエンたちのエピソードは
なくてもよかったような気がします。
そして婚約者の仇を討った安西ですが
巻き添えになった酒井の婚約者のことを知ったらどう感じるのだろう。
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:56 | category: ハ行(その他) |
# じぶん素描集
評価:
須藤 夕子(写真),原田 宗典
講談社
歯が押し出されるほどぼんやりしてきたなんて。
どの分野にも限らず一流だから文がうまいのではなく
全ての基本である文がうまいから一流なのか。
「そういえば」が自分の口癖だったとは。
リンゴを極限までくりぬいたランプを
丁寧に直したつもりだったのに。
今も昔も気づくことの多いムネノリ節。

「妹よ、おまえはまるで…」で出てくる妹への手紙が
「恋文の技術」の妹への手紙とそっくりで面白かった。
男の人が自分の妹に手紙を書こうとすると
こういう口調になるものなのかなぁ。
写真がふんだんに使ってあったり
フォントで遊んでたりと目にも楽しい本です。
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:54 | category: ハ行(その他) |
# エルメス伯爵夫人の恋
エルメス伯爵夫人のプリュメルは若い恋人を作った夫を恨んだが
家の財政を取り仕切ることなどでなんとか自分を保っていた。
ある日街で出会った若者に一目ぼれをしてひとり楽しんでいたが
なんとそれは軍学校から戻ってきた義理の息子エザンスだった。
プリュメルは自分の不貞を諦めようと思い、
次にエザンスとの出会いを美しい思い出に昇華しようとしたが
結局は彼に想いをぶつけることに踏み切った。
装丁:カウベルデザイン 写真:Tomonori Nishigori/amana images

ベタベタでドロドロです。
義理の息子に恋しちゃうとか昔好きだった女を死刑にするとか
フランス革命という設定があるからこそできる話。
派手すぎて食傷気味ですが解説にあるみたいに
舞台でやれば映えるんじゃないかなぁ。
小説でないと織り込めないような複雑さはないとも言える。
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:53 | category: ハ行(その他) |
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