ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# ミッキーかしまし
地元で見つけた変な標語、外人はカタコトがいい、
若い女の子の買い物籠にはミートスパと煮こごり?
猫の自由な趣味の数々を見習いたい、
自分や知り合いのものすごい酔い方いろいろ、
プライドが高いのに自信がないからレディとして扱われたくない!
「そういう世界」が口癖の父、
私にとってのDRAGONBALL=面白い人間、
嫌なことがあっても「これくらいで済ませてくれてよかった」という気でいる、
あまりにも美しい「ババァの万引き」
イラン生まれで大阪とエジプト育ちの著者のウェブエッセイ集。
装丁:多田進 装画・挿絵:西加奈子

西さんが身の回りのことをフリーダムに書き綴ったエッセイ。
「きりこについて」のラムセス2世の目線に近いように思う。
お父さんの背中に張りついた蛾の台詞が秀逸だった。
「わははー、このおっさんの背広、ネズミ色やろ?
 わしの体もネズミ色やさかい、バレてない、バ、レ、て、な、いっ!」
しかも左ページに西さんの描いたふにゃっとした蛾のイラスト付き。
酔っ払い談義が非常に多くてお酒好きなんだろうなあ。
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:56 | category: ナ行(西加奈子) |
# きりこについて
評価:
西 加奈子
角川グループパブリッシング
きりこはぶすである。
しかしマァマもパァパもきりこを世界で一番可愛がったし
ラムセス2世もきりこをほめちぎったし
きりこの勢いに周りの子どもたちもうっとりしていたから
初恋のこうた君に言われるまで気づかなかった。
自分が周りの基準の「可愛い」とは対極の顔だと知ったきりこは
鏡を見ず、学校にも行かず、夜に猫とばかり会うようになる。
そんなきりこが外に出るようになったのは予知夢を見たからだ。
お姫様のような服を着たぶすのきりこは
悲しい予知夢に反応して手を差し延べるようになる。
装画:永田キナコ 装丁:鈴木久美(角川書店装丁室)

ぶすについて書きたかったという
西さんの意図が直球で伝わってきます。
容姿の基準の曖昧さとか自分らしさとか。
猫の基準という視点から考えると
普段自分がどれだけ周囲の目に捕らわれているかがよくわかります。
みんな極端といえば極端だけれども。

「自分のしたいことを、叶えてあげるんは、自分しかおらん。」
| comments(0) | trackbacks(0) | 22:32 | category: ナ行(西加奈子) |
# うつくしい人
会社を辞めてホテルにリゾートに来てしまった。親の金で。
引きこもりで世間を知らない姉のようにはなりたくなかったのに。
ホテルに着いても周りの目が気になってばかりだ。
しかし雇われバーテンの坂崎の駄目さと
ドイツから来たマティアスのマザコンっぷりを前に
他人の目を気にしない私になれる気がした。
そもそも私は誰の目を気にしていたのか。
写真:大橋愛 装丁:大久保伸子

本を置きに行く部屋、というのに興味がわきました。
求めるだけでなく置いてくることの必要性を表すための本。
蒔田は姉へのコンプレックスを置いていくことが出来たのか。
そして代わりに何かを得ることが出来たのか。
| comments(0) | trackbacks(0) | 19:27 | category: ナ行(西加奈子) |
# 窓の魚
温泉旅行やってきたのは
どこか陶然としていて記憶が曖昧になるナツ、
ヘビースモーカーで子供時代にトラウマを持つトウヤマ、
整形を繰り返し母親にコンプレックスがあるハルナ、
病弱で自分より弱いものを愛するアキオの4人組。
さらにそこで女性の死体が発見された。
装画:加ト祐哉 装丁:新潮社装丁室

最年長のはずのアキオが一番幼く見えた。
とてもひねくれた関係といびつな話。
理解しきれていないけれど
とりあえず不安定な時期にはおすすめしません。
| comments(0) | trackbacks(0) | 00:54 | category: ナ行(西加奈子) |
# こうふく あかの
美人だが平凡な妻と平凡な家庭を築き
会社でも人当たりのいい努力家の課長を振舞ってきたのに、
妻は俺と血のつながりのない子どもを身ごもり
会社のやつらは誰も俺のことを褒め称えない。
昇進の遅い同期の兎島を飲みに誘ってやって訪れたのは
ボクシングジムを兼ねた飲み屋だった。
小さなテレビでは猪木が懸命に戦っている。
装丁:帆足英里子 プロデューサー:栗本知樹

こういうさり気ない押し付けがましさに
多少身に覚えがあるので同族嫌悪的ないらいらが。
あと報われなさには共感もできるかも。
挿話がどうつながってるかがなかなか読めなかったので面白かった!
アムンゼンはともかくサミーがそういう伏線だったとはね。
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:56 | category: ナ行(西加奈子) |
# こうふく みどりの
うちは女系家族。そんでものすごくいい雰囲気。
おばあちゃんとお母さんと藍ちゃんと桃ちゃんと
カミさんとホトケさんとポックリさん。
女の人はよく来るけど男は田村のおっちゃんくらいやったのに
近所に越してきたコジマケンはなんとうちでご飯を食べた。
妙な雰囲気があるコジマケンを可愛い明日香も好きになる。
ときどきお腹がぎゅってなるのは明日香にしっとしてんのかな。
装丁:帆足英里子 プロデューサー:栗本知樹 編集:大野康恵

いろんな人が家にあがりこんだり
テレビが来るから大騒ぎになったりする距離が近い町。
緑からの視点だけじゃなくて
途中で挿入されるいろいろな文が女たちを際立たせる。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:42 | category: ナ行(西加奈子) |
# きいろいゾウ
動物の言葉が聞えてしまう無邪気なツマに
物書きの傍ら老人ホームの事務を行うムコ。
駆け落ち同然で山奥の村で暮らす2人と
ご近所のアレチさんや駒井さん、登校拒否児の大地くんの話。

この人の話は本当一件落着という感じがしない。
小説が終わってもずーっとずーっと続いていく生活が見える。
この本だって大地くんのエピソードでも終われたのに
さらにその先の2人の愛の形についてまで。深い。

メガデスを羽海野チカに描いてほしい!!
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:01 | category: ナ行(西加奈子) |
# 通天閣
評価:
西 加奈子
筑摩書房
組立工場で働く冴えない独身中年男と
渡米した彼氏を待ちながらスナックのチーフをする女。
通天閣の周りで営まれる彼らの不幸な日常を描く。

すっきりしない話です。
みんな自分の生きる意味が見つからなくて焦っている。
でもささいな日常の描写なのに
どんよりとしたついてない雰囲気にリアリティを感じる。

「私が泣いていることなんて、誰も知らない。皆自分のことに夢中で、夢中になっていることは本当につまらないことで、そしてまた明日を待っている。ずっとずうっと同じ明日がくるのに、目が覚めれば違う何かが待っているような、そんなわくわくとした気持ちで日々暮らしている、なんて阿呆な人たちだ。」
| comments(0) | trackbacks(0) | 11:56 | category: ナ行(西加奈子) |
# さくら
美しく明るい母さん、優しくやる気に溢れる父さん、
美しくわがままな美貴、おしゃべりなサクラ、そして僕。
素晴らしい家族は容姿も性格も何もかも理想的だった兄ちゃんの事故によって
着実に崩壊していってしまった。

幸せな家庭のはずなのに、どこか脆く危うい空気が漂う。
一番大きな原因は美貴の態度がそうなんだと思う。その恋心が。
でも眩しい環境で育った薫の諦念がこの話をまとめあげている。
ラストが断ち切られていなくて、
このあともこの一家の人生があるんだなぁという展望が浮かんでくる。

「いつも、これが自分の100や、ありのままや!て思って生きてる人っておらん気がする。サキコさんも、マイケルジャクソンも。これは自分じゃないとか、こんなはずやないとか、そんな風に思って生きてて、誰かのまねをしたり、化粧して隠したりしてる。でも、それも結局、自分やん。」
| comments(0) | trackbacks(0) | 13:32 | category: ナ行(西加奈子) |
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