ほんのひとこと

元・本屋でバイトする学生による
日々の読書記録です。
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# 私の家では何も起こらない
作家の私が買った家は幽霊屋敷と称される。
床下で瓶詰めにされていた子どもたち。
パブで知り合い幽霊屋敷を見物に出る4人組。
アップルパイを焼きながら殺しあったそっくり姉妹。
床下の少女に同級生を殺してもらった殺人犯の少年。
老人が子供の頃見た「這うもの」の正体。
屋敷を案内する死んだはずの女。
幽霊たちに改修作業を手伝ってもらった大工。
そして家の持つ記憶に影響されていくあたし。
ブックデザイン:名久井直子
カバーと見返し表:上野リチ 線画イラスト:布川愛子

幽霊屋敷を舞台とした連作短編集。
どこからともなくアップルパイの香りがただよい
ロッキング・チェアに座れば喉が渇く。
庭の木の枝の高さを丁度よく感じ
なぜかしら護られているような気がする。
そう感じるのは全て場所の持つ記憶の影響なのだ。

残虐な事件がたくさん繰り返されているのに
ベールの向こう側で起きているようでリアリティが全くありません。

「あたしが今こうして座ってる場所にも、まさにこの同じところに、何人もの人が立ったり座ったり泣いたり笑ったりしてたんなら、そこにその人たちの記憶や 想念が残ってたってちっとも不思議じゃない。聖地と呼ばれる場所に大勢の人間が祈りに来た記憶が蓄積されるのを感じるのが当然なら、普通の場所だって、沢 山の記憶が積み重ねられている以上、その気配を感じるのも当然なんじゃないの?」
| comments(0) | trackbacks(0) | 15:41 | category: ア行(恩田陸) |
# 不連続の世界

売れっ子放送作家がコモリオトコとつぶやき
多聞は少年と木にしがみついた老人を目撃する「木守り男」
地方のFMで流れた「山の音」という弾き語りの歌を聞くと
死んでしまうという噂を確かめにいく「悪魔を憐れむ歌」
自分が映画のロケを見ると周りの誰かが不可解な傷をうけて
死んでしまうと話すミュージシャンの「幻影キネマ」
砂丘が消えたという海外エッセイの翻訳に当たって
実際に砂丘を見に行く「砂丘ピクニック」
怪談をするために乗った寝台車で
妻から送られる写真の相談をする「夜明けのガスパール」
装丁:鈴木成一デザイン室 装画:ケッソクヒデキ

「月の裏側」の番外編のような位置づけだからか
話の間に人間関係ががらっと変わっていても何の説明もなく
混乱してしまいます。ロバートはどうしたのだろう。
しめやかな話の雰囲気は好きですが
謎を謎のままに置いておくのがどうもすっきりしない。
木守り男は結局なんだったんですかね。

| comments(0) | trackbacks(0) | 14:02 | category: ア行(恩田陸) |
# いのちのパレード
地面から巨人の手が生えてくる「観光旅行」
祖父に犯された少女が持っていたロボットと「スペインの苔」
山の声を聞き死者を送る「蝶遣いと春、そして夏」
ホステスが客たちの代わりに守る東西バリケードの「橋」
窓辺にたたずむ男女についての思い出を姉妹が語る「蛇と虹」
僕と兄貴と妹は謎の言葉を聞くとイメージを具象化してしまう「夕飯は七時」
幼い頃から彼がずっと恐れていたのは納屋の「隙間」
男の元にロト7からの通知が届いてしまう「当籤者」
作家の伝記を書くために訪れた地で出た「かたつむり注意報」
罪あるものを裁いてきた「あなたの善良なる教え子より」
日常生活がミュージカルとなる「エンドマークまでご一緒に」
堅牢な箱である王国の「走り続けよ、ひとすじの煙となるまで」
少女たちが上がりを目指しておつとめをする「SUGOROKU」
全ての生物がアンダンテで進んでいく「いのちのパレード」
インスピレーションの精がある青年を訪ねる「夜想曲」
ブックデザイン:大路浩実 タイトル翻訳:柿沼瑛子

最近「ナイフ投げ師」を読んだのもあってか
外国の短編小説集みたいで一瞬翻訳ものかと思ってしまった。
この海外っぽさがどこから来ているのかわかりません。
「夕飯は七時」「SUGOROKU」「夜想曲」がいいと思います。
| comments(0) | trackbacks(0) | 23:12 | category: ア行(恩田陸) |
# ブラザー・サン シスター・ムーン
文学部に入ってなんとなく卒業し小説家になった楡崎綾音。
ジャズ研でベースのレギュラーとなった戸崎衛。
シネマ研究会では鑑賞班だったが監督になった箱崎一。
彼らは高校で同じ聞き取り調査班になり
誰もいない昼の町を訪ねた彼らが
上京してそれぞれの生活を送っていく。

大学生のモラトリアムな生活がよく出ている。
第二部が一番話の枠組みをつかみやすいです。
大学時代を進行形で書いてるせいもあるかな。
第一部は楡崎の内面しか見えなくて、
第三部は話し手がころころ変わって読みづらい。
ゲラ読み。
| comments(0) | trackbacks(0) | 19:20 | category: ア行(恩田陸) |
# 木洩れ日に泳ぐ魚
今日で同棲を解消するヒロとアキ。
空っぽになった部屋で彼らは
あのことについて話し合わなければならなかった。
2人で行ったトレッキングで野外ガイドが転落死した。
お互い相手を疑いあいすれ違っていった2人。
事件の真相とは。そして彼らの関係は。
装画:佐々木悟郎 DTP:石田香織
装丁:中央公論新社デザイン室

靄がかかっている記憶をどんどんと探り出していく妙。
交互に語られていくことによって
2人の感情や相手への気持ちの変化がわかって面白い。
しかし携帯電話を持っているのなら
そんな理由で転落死しないと思うんだけどなあ…
| comments(0) | trackbacks(0) | 21:40 | category: ア行(恩田陸) |
# 朝日のようにさわやかに
東北のうらぶれた駅の売店の冷凍みかん。
私がそれを買おうとすると売店の老人が発作を起こした。
そのまま老人は意識を失い私は冷凍みかんと箱を託された。
箱の中に入っていた老人の手紙には驚愕の事実が。
「冷凍みかん」他13編。

ごたまぜです。シリーズのこぼれ話からチャレンジングな不条理物まで。
気になったのは「淋しいお城」かなぁ。
佐々木マキの絵と一緒に読んでみたいです。
他はダークだったりスプラッタだったり断片的すぎたりで
いまひとつ好きになれず。
あとがきで恩田さん自身も書いていらっしゃいますが長編の方がいいです。
| comments(0) | trackbacks(0) | 10:59 | category: ア行(恩田陸) |
# 禁じられた楽園
天才芸術家の烏山響一。
彼が新しく作った映像作品「カーテン」には
死者が映るという大反響が巻き起こる。
さらに彼が私有地に造った巨大テーマパークでは
数々のインスタレーションが鑑賞者の負の記憶を呼び覚ます。

怖っ!!ホラーでもあるけれど物理的というか心理的なもの。
ページをめくる手が止まりませんでした。
その点では捷や律子と切迫さは違えども類似体験ができます。
怖いもの見たさというか好奇心が勝ってしまう。
ただ最後がどうしても尻すぼみというか、
ふくらませすぎて決着のつけようがなかったのか。
香織が唐突で、かつ圧倒的すぎてあまり納得がいかないです。
もっとダークな終わり方でもよかったのに。
| comments(0) | trackbacks(0) | 12:10 | category: ア行(恩田陸) |
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