|
|
評価:
有川 浩
新潮社
|
デザイン事務所の同僚だった彼女が小説を書いていると知り、
「読む側」の俺は無理矢理それを読んでしまった。
怒った彼女に対して平謝りし、
他の小説も読ませてもらう関係になって二年付き合い結婚。
彼女に小説賞への応募を勧めると、見事デビューを果たし一躍人気作家に。
出版社と「交渉」を重ねて次々と仕事を引き受けるが、
大学の文芸部にやっかまれてムックで酷評されたり、
文学かぶれの親戚たちにいろいろ文句を言われたりと
ストレスはたまる一方で、
ついには思考した分だけ生命力を削られるという難病に侵されてしまう。
「Side:A」
会社時代、屋上から降りてくる彼の目が濡れていた。
理由を聞くとなんと彼女の小説を読んでいたからだと言う。
お互い読者と作者という前提がなかった場合のことを考えて
踏み切れないでいたが、付き合うこととなり
彼に甘やかされながら専業作家としての生活を送っていた。
しかしある朝彼が交通事故にあったと連絡が入り、
検査の結果すい臓がんが見つかってしまう。
彼が最悪の結果にならないように逆夢を起こすべき文章を連ねるが。
「Side:B」
装丁:新潮社装丁室 本文写真:広瀬達朗(新潮社写真部)
どこまでが作中作なのかわからない、
作家の妻と一番の読者の夫が死に立ち向かう話が2本です。
Side:Aで最初の展開に無理を覚えつつもしんみりしていたら、
Side:Bで驚きのストーリーが明かされます。
有川さんはお父さんに何かコンプレックスがあるのかな、と
邪推してしまいます。
小説の主人公=作者でないことはもちろんわかっているけれど
『フリーター、家を買う』とか『図書館戦争』とか
親を信用せずに自分で道を切り開く話ばかりという印象が。